朝陽の中で。
朝、彼の後ろを歩いてた。
彼のお気に入りのグリーンのダウンが朝陽で光ってる。
寒いのが苦手な彼は背中を丸めポケットに手を入れ、
早足で歩いて行く。
私は重いメイク道具とバックをかかえ追いつこうと頑張る。
なかなか追いつけない。
角の所でふりむいて少し笑ってる顔を朝陽が照らす。
ちょっぴり白くなった髪、ちょっぴりできたシワ。
朝陽でキラキラ光ってる。
長い間一緒にいた時間を感じさせる。
遅い私を待ちきれず彼は歩き出す。
もう一度バックをかかえ直し息を切らせる私。
でも彼との距離は縮まらない。
角からグリーンの背中が消えていく。
白い息を吐きながら角にたどり着く。
すぐそこに、背中をまるめた彼が立っていた。
彼も白い息を吐き出しながら「遅いよ」と。
息を切らして「待っててくれないから・・」と私。
やっと追いついたね白い息がぶつかる距離まで・・。
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