朝陽の中で。

アンナ

2010年01月09日 13:42



朝、彼の後ろを歩いてた。

彼のお気に入りのグリーンのダウンが朝陽で光ってる。

寒いのが苦手な彼は背中を丸めポケットに手を入れ、

早足で歩いて行く。

私は重いメイク道具とバックをかかえ追いつこうと頑張る。

なかなか追いつけない。

角の所でふりむいて少し笑ってる顔を朝陽が照らす。

ちょっぴり白くなった髪、ちょっぴりできたシワ。

朝陽でキラキラ光ってる。

長い間一緒にいた時間を感じさせる。

遅い私を待ちきれず彼は歩き出す。

もう一度バックをかかえ直し息を切らせる私。

でも彼との距離は縮まらない。

角からグリーンの背中が消えていく。

白い息を吐きながら角にたどり着く。

すぐそこに、背中をまるめた彼が立っていた。

彼も白い息を吐き出しながら「遅いよ」と。

息を切らして「待っててくれないから・・」と私。

やっと追いついたね白い息がぶつかる距離まで・・。

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